誰しも未経験の仕事をする前は不安でいっぱいになります。それが人材不足で世の中に必要とされている職業であってもです。

高齢化社会がどんどん進んでいく中、介護する職員の数は足りていません。しかし人と人が向き合う現場だからこそ、介護する側に求められているものは資格だけではありません。人柄や気配り、優しさなど人と人の繋がりや心配りが何よりも大切なのです。十人十色という言葉があるように、人はそれぞれ違います。「高齢者だから」と一括りにする考えではなく、「どれだけ相手と向き合うことができるか」というコミュニケーションが重要なのです。勿論、介護職に必要な知識や技術などを学んだ介護ヘルパーや、介護福祉士の資格保持者であれば申し分ありません。しかし未経験者であることは技術や知識の他に介護現場で求められていることを直接体感することにより、利用者が求めていること、また介護する側が求めていることなどそれぞれの立場に立って得られるものはあります。

世の中は介護現場の大変さを声高に伝える。確かに臨機応変に一人一人に対応することは世間のものさしでは「大変」なのかもしれません。しかし考え方や視点を変えてみるとそれ以上に介護する側も得られること、心を満たされる瞬間はあります。例えばたった一言「ありがとう」とかけられた言葉にどれだけの重みがあるのか、また言葉はなくても「笑顔」を見せてくれることがこんなにも嬉しいことなのかなど沢山あります。また、資格がなくても介護現場で経験を積みながら、将来資格をとることも可能である。

未経験者が介護職に就くときに悩むことというと、どんな施設に就職すれば良いのかということがあります。介護施設にもいろいろな種類の施設がありますが、違いが良くわからないという未経験者は多いはずです。けれども、もし施設を適当に選んでしまったとしたら、せっかく介護職に就けたのにすぐに辞めることになる可能性もあるため、就職する際には慎重に施設を選ぶ必要があります。

未経験者が施設を選ぶときには、まず自分が将来どんな介護士になりたいのかということを明確にすることが重要です。同じ介護職でも施設によって仕事内容は異なりますので、当然のことながら学べることも変わります。ですので、未経験者でも受け入れてくれる施設を選ぶということはもちろんですが、自分の学びたいことを学べる施設を選ぶということも未経験者の場合には忘れてはいけないのです。

そして、もし介護士として身につけておくべき基本的な知識や技術を学びたいのであれば、特別養護老人ホームに就職するのがおすすめです。特別養護老人ホームで経験を積むことで、介護の基礎をすべて学ぶことができ、将来別の施設に転職する際にも役立つことでしょう。

また、介護のことだけでなく、医療のことも学びたいのであれば、介護老人保健施設がおすすめです。介護士は医療行為に直接関われるわけではありませんが、医療ケアやリハビリが必要な高齢者が入居している施設ですので、医療やリハビリに関する知識も身につけたい人に適しています。